欧文Webフォント

このページでは,クライアント(閲覧者)側のデバイスに当該フォントがない場合でも,サーバ(コンテンツ提供者)側からフォントデータを提供することで,クライアント側のWebブラウザがこれを可視化(レンダリング)してフォントを表示できる「Webフォント」システムを使用しています。UnifrakgurMaguntiaJunicode をWebフォントとして用いています。

本ページでは「ハイパーリンク付きの相互参照を施した脚注」も使っています。access_fn.css で設定しています。

UnifrakturMaguntia: ドイツ旧字体フォント

Fraktur はドイツ旧字体の一種ですが,このうち1901年 Carl Albert Fahrenwaldt によってデザインされた Mainzer Fraktur を Peter Wiegel がデジタル化した Berthold Mainzer Fraktur を基に Gerrit Ansmann によってフォントが OpenType 化 されたのが UnifrakturMaguntia です。フリーです。

UnifrakturMaguntia をWebフォントとして用いるための設定は unifrak.css の記述を参照してください。ラテン字アルファベットでは強調部分に「イタリック体」(イタリア風,の意)を使うことがありますが,ドイツ旧字体のフラクトゥア体にイタリック体は有り得ません(形容矛盾!)。正書法では,強調箇所は代わりに「隔字体」とします。

ただし,隔字体となった場合でも ch, ck, st, tz (c‍h, c‍k, ſ‍t, t‍z) の4つの合字は隔字されませんUnifrakturMaguntia は原則としてこうした細かなルールも反映させた出力を自動的に行ってくれますが,現時点では全てのブラウザが OpenType 機能に対応しているわけではありません。非対応ブラウザの場合,手作業でHTMLソースに介入する必要があります。

なお,アクセスするクライアント(閲覧者)のデバイス(PC, スマートフォン等)上のブラウザの表示幅に応じて「2段になったり1段になったりする箇所」は,w3.css で設定しています。

ラテン字アルファベット

Es war einmal mitten im Winter, und die Schneeflocken fielen wie Federn vom Himmel herab, da saß eine Königin an einem Fenster, das einen Rahmen von schwarzem Ebenholz hatte, und nähte. Und wie sie so nähte und nach dem Schnee aufblickte, stach sie sich mit der Nadel in den Finger, und es fielen drei Tropfen Blut in den Schnee. Und weil das Rote im weißen Schnee so schön aussah, dachte sie bei sich: Hätt ich ein Kind so weiß wie Schnee, so rot wie Blut und so schwarz wie das Holz an dem Rahmen.

ドイツ旧字体

Es war einmal mitten im Winter, und die Schneeflocken fielen wie Federn vom Himmel herab, da saß eine Königin an einem Fenster, das einen Rahmen von schwarzem Ebenholz hatte, und nähte. Und wie sie so nähte und nach dem Schnee aufblickte, stach sie sich mit der Nadel in den Finger, und es fielen drei Tropfen Blut in den Schnee. Und weil das Rote im weißen Schnee so schön aussah, dachte sie bei sich: Hät‌t ic‍h ein Kind so weiß wie Sc‍hnee, so rot wie Blut und so sc‍hwarz wie das Holz an dem Rahmen.

OpenType の拡張機能を使ったテキストの組み分け

UnifrakgurMaguntia が備える OpenType の拡張機能を用いれば,同じソース(入力)から異なる出力を得ることもできます。以下では

Der Ärger des Igels liegt auf der schönen Königsstraße.
という入力から「デフォルト」の出力,また「異体字形 Character Variant(文体セット字形 Stylistic Set とも)を反映させた」出力を掲げます。

具体的には,cv11(長い ſ と丸い s を自動的に組み分ける),cv13(大文字の I を J で出力する),cv15(小添字 e 式ウムラウト),cv14(大文字に関しては小添字 e 式ウムラウトとせず大文字の後に e を送って表記する)を活かしています

デフォルトの出力

Der Ärger des Igels liegt auf der schönen Königsstraße.

cv11, cv13, cv14, cv15 を反映させた場合の出力

Der Ärger des Igels liegt auf der schönen Königsstraße.

Junicode: ヨーロッパ中世のテキストを組むための専門的フォント

Junicode は Peter S.Baker によって開発が続けられている Unicode フォントで,17世紀に英国オックスフォード大学の出版物で用いられていた活字を元にデザインされています。フリーです。Junicode という命名は,当時のアングロ・サクソン語文献学者である Franciscus Junius へのオマージュとなっています。

Junicode は,ヨーロッパ中世のテキストを専門的に組みたい場合,とても重宝します

Junicode をWebフォントとして用いるための設定は junicode.css の記述を参照してください。

古英語『アングロサクソン年代記』よりインシュラー体

Her cynewulf benam sigebryht his rices & weſtſeaxna wiotan for unryhtum dędū buton hamtúnſcire & he hæfde þa oþ he ofslog þone aldormon þe hī lengeſt wunode & hiene þa cynewulf on andred adræfde & ħ þær wunade oþ þæt hine án ſwán ofſtang æt pryfetesflodan & he wręc þone aldormon cumbran & se cynewulf oft miclum gefeohtum feaht uuiþ bretwalū.

ウルフィラによる『ゴート語訳聖書』よりゴート文字体

jabai auk ƕas gasaiƕiþ þuk þana habandan kunþi in galiuge stada anakumbjandan, niu miþwissei is siukis wisandins timrjada du galiugagudam gasaliþ matjan? fraqistniþ auk sa unmahteiga ana þeinamma witubnja broþar in þize Xristus gaswalt. swaþ~þan frawaurkjandans wiþra broþruns, slahandans ize gahugd siuka, du Xristau frawaurkeiþ.

上例テキストのいずれもラテンアルファベットによる「翻字」(Transliteration)で入力しておき,それぞれ「文体セット字形」の ss02 および ss19 を指定することで,インシュラー体やゴート文字体を出力できます。

もちろん,インシュラー体やゴート文字体を直接入力(16進数コードや文字の正式名称を利用)しても同じ出力が得られます。入力に難儀すると思いますが。

詳しくは HTML ソースを御覧ください。